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【ブックレビュー#10】『縄文式生活技術教本 縄文人になる!』 関根秀樹 著

[ブックレビュー] 2016年02月02日
子供の頃、縄文人に憧れませんでしたか?

木を擦って火を起こしてみたい。黒曜石のナイフが欲しい。草から布を作ってみたい。どんぐりのクッキーを食べてみたい…。小学6年生くらいの時、私もそんな憧れを抱いて、宿題で縄文文化を紹介する壁新聞を作り、父から貰った縄文土器(だと勝手に信じてる何かの欠片)を箱に入れて大切にしていました。
 
私の憧れはそれ以上に広がることはありませんでしたが、年を経て尚その思いを強く持ち、様々な文化を再現した人たちがいます。

その中のひとりが、この本の表紙を飾っている山崎三四造さん、そしてもう1人が著者の関根秀樹さん。その他にも、たくさんの人が縄文文化の再現に挑んでいるようです。

 

この山崎三四造さんのインパクトは凄い。表紙を開くとあらわれる写真の数々。お手製の竪穴式住居で火を囲む姿は縄文人そのもの。(※想像です)

彼は少年からの夢を捨てきれず55歳で脱サラし、縄文人になってしまったそう。今では町一番の有名人で「縄文さん」と親しまれているそうです。

三四造さんの写真を堪能してページをめくると、火の起こしかた、石器の作り方、土器の作り方、当時の食事の再現法などなど、幼き日に憧れたあれこれが写真付きでぎっしり詰まっています。

例えば火の起こし方なら「このやり方なら何秒で着火できるか」、石器の作り方なら「そのような石が適していて、産地はどこか」という、関根秀樹さんによる具体的なノウハウが掲載されていますので、私たちでも本を片手に再現することができそうです。もう、読んでいるだけでワクワクが止まりません!
 
子供の頃にこの本に出会っていたら、長期休暇の自由研究は、絶対コレにしたのになぁ。むしろ今からでも試したい。縄文粥食べたい!もし試された方がいらしたら、ぜひ感想を聞かせて下さいね。


(見習いブックソムリエ 島村)