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【ブックレビュー#17】『地団駄は島根で踏め 行って・見て・触れる《語源の旅》』 わぐりたかし 著

[ブックレビュー] 2016年03月23日
語源ハンターなる人物をご存知でしょうか?

東に「ごたごた」とやかましい人がいると聞けば、それは何者かと会いに行き、西に「ちんたら」とした工場があると聞けば、その仕事ぶりを確かめに行く。そして旅先のおいしい物もついでに楽しむ。そんな素敵な人物こそ、語源ハンターのわぐりたかし氏です。

 

語源ハンターが捕まえるのは、文字通り語源です。言葉の生まれた場所へ赴き、その言葉の生まれた経緯を探る。そうやって狩猟した言葉の数々が、この本にまとめられています。

「のろま」「うやむや」「やばい」「ごたごた」「もとのもくあみ」「ちんたら」など、私たちが日常生活で何気なく使っている言葉の数々、どうしてそんな風に言うのか、改めて考えると知らないものばかり。

語源をハントする「語源遺産の旅」は、なかなかにドラマチック。
語源そのものの話も面白いのですが、語源に出会うまでの著者の体験記がまた、たまらなく面白いのです。

一緒に旅するような気分で、気楽にページを開いてください。
(もっとも実際に旅した著者は全く気楽ではなかったと思いますが…)

各章の最後には、その言葉のふるさとで見つけたおいしい物の紹介もありますので、こちらもお見逃しなく!


(見習いブックソムリエ 島村)