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【ブックレビュー#23】『ねこの秘密』  山根明弘 著

[ブックレビュー] 2016年05月03日
ねこグッズが溢れ、テレビにも子猫が頻繁に登場、ペットは犬よりもねこの方が多い。いまや空前のねこブームと言ってもいいのではないでしょうか?
 
大きな声を出さず、お散歩に連れていく必要もないねこは、現代人のライフスタイルにピッタリなのかもしれませんね。
 
ねこ関連本もたくさん出版されていますが、その愛らしさに着目した写真集や、ねこと暮らす人のための飼育本がほとんど。
そこで今回は切り口を変えて、動物学者の研究成果からねこ魅力に迫る一冊を紹介します。
 


『ねこの秘密』の著者 山根明弘氏は、動物の生態学と集団遺伝学を専門とする動物学者。
京都大学霊長類研究所に在籍したこともあり、マントヒヒの生態研究もされています。
 
そんな彼が、九州玄界灘の相の島(あいのしま)で7年間に約200匹のノラネコを調査。
猫の歴史から付き合い方まで、幅広い内容を易しい言葉でまとめた本書は、身近な猫ねこたちのこれまでとは違った一面を見せてくれます。
 
ねこ誕生の歴史。
オスねこの駆け引きの裏で繰り広げられる、メスねこのドラマチックな恋。
しっぽの曲がったねこが日本に多い理由。
 
カワイイだけじゃないねこたちの一生をぜひ紐解いてみて下さい。
 
『ねこの秘密』は「隆祥館書店 作家と読者の会100回突破記念」で原孝寿氏の推薦図書に指定されています。以前紹介した『恐竜は滅んでいない』など面白いラインナップですので、要チェックです!
 
 
(見習いブックソムリエ 島村)