スタッフブログBlog

OBPアカデミア世界文化講演シリーズ

[講座・交流会] 2016年02月10日
大阪城のお膝元であるOBPから世界に繋がる文化を発信する「OBPアカデミア世界文化講演シリーズ」がスタート。
第1回は東大寺より森本公穣師による「お水取り」講演を開催。
 
お水取りは正式には「東大寺二月堂修二会(しゅにえ)」と呼ばれ、奈良時代から1260年以上続く法会です。森本師は修二会を行う11人の練行衆のひとり。今回は平衆を率い進行を司る役割である堂司(どうつかさ)を務めます。今回の講演では、奈良時代の大仏建立まで遡り、お水取りの歴史を紐解きました。
 
お松明が有名ですが、実はお堂に入る練行衆の足元を照らす道しるべで、実際の行法はそこから始まります。「お堂から出る松明は、実は使い終わった松明を消しているところです」に、表面上しかお水取りを知らなかったと、衝撃を受けました。
 
「あるとき来年の衣を作りながら、ふと『来年も頑張らないとな』と思ったのです」…。毎年2月後半から3月の修二会本番までの準備期間に、翌年使用する衣を作成するそうです。今年の会以前に、すでに一年先を意識させる。先人の仕掛けが、修二会を1260年以上継続してきた理由だと森本師は語りました。
   
参加者からは「何でも調べられる時代ですが、直接携わっている人から聞くと心が伝わってくる。お水取りの見方が変わった」という声が聞かれました。(広報スタッフ:時任)