ytv新規事業共創セッション

テレビの未来を創るプロジェクト

主催:読売テレビ × OBPアカデミア

Theme第2回セッションテーマ

「地方創生」と「教育」

第1回では、ネット・デバイスの進化で大きく変わった、テレビと生活者との関係について、広く「接点拡大」をテーマに、次世代のテレビ局が取り組むべき事業を模索しました。その結果も踏まえ、今回は読売テレビとして注力したいテーマを「地方創生」と「教育」の2つのテーマに絞りました。

●地方創生
読売テレビは近畿2府4県をカバーする準キー局です。在京キー局に次ぐ規模ですが、東京スタンダードが席捲する昨今、“地方代表”として東京以外からムーブメントを巻き起こせる立ち位置とも考えております。
例えばytvは2015年より、大阪のシンボルである大阪城の公園管理を行っています。民間のアイデアを駆使したエリア開発やイベント展開による地域活性化のノウハウを有し、活用可能です。
また最近では、全国1145ある「道の駅」のネットワークを購入しました。今後「道―1グランプリ」などのフードイベントを中心に、道の駅を拠点とした集客・にぎわい創出を図る地方創生ビジネスに取り組んでいく予定です。
首都圏一極集中ではなく、また、各県のみに閉じた形でもない、ytvならではの地方創生フォーマットを生み出すことを目指します。

●教育
教育分野にデジタル化の波が押し寄せる中、読売テレビは阪神電鉄と共同で2016年より、子ども向けロボットプログラミング教室「プログラボ」を展開しております。
来年度の小学校での必修化を見据えた事業ですが、真に目指すのは、手段としてのICT習得に留まらない、子どもの「夢を実現するチカラ」の育成です。この方針は、近年導入が進むアクティブ・ラーニングにも通じます。
若年層との接点増加も視野に、動画制作力や報道アーカイブ映像などのテレビ局だから持つリソース活用や、メディアリテラシー向上にも貢献できる領域として注目しています。

2019.5.20 参加者それぞれが持つ「地方創生」と「教育」への熱い想い、セッションで融合!

本プロジェクトは、読売テレビの新規事業を共に創るパートナーを見つけることを目的とし読売テレビとOBPアカデミアの共同で実施しています。
これからの時代に求められる「テレビ局のあり方」を多様な方達と模索していきます。
2019年2月〜9月の間、説明会とセッションを各3回ずつ実施しディスカッションを行う中で、新しいアイディアや読売テレビがこれまで持っていなかった方たちとの関係を構築し、新しい事業の創造を目指します。

4月に行われた説明会を経てセッションに参加する皆さん
4月に行われた説明会を経てセッションに参加する皆さん

2019年5月20日、第2回目のセッションが行われました。
「地方創生」「教育」をテーマに日頃より活動されている約30名の参加者がOBPアカデミアへと集まりました。

セッション本番の今回は、6グループに分かれて進みます。
「地方創生」または「教育」のテーマで普段より活動している者同士でテーブルに着席。
会がスタートする前から既に名刺交換などが行う参加者も見られ、早くも共創に向けての空気ができ上がっています。

読売テレビ 経営企画室 高津室次長
読売テレビ 経営企画室 高津室次長

まずは読売テレビの高津英泰氏が挨拶。2回目を迎えるセッションに対する考えを話されました。
「私たちテレビ業界は『人を集める』『楽しませる』『伝える』という部分を使命としています。これを今回のテーマに当てはめると、地域を盛り上げたり、名産物を生み出したりすることができる、子どもたち・社会人・シニア層へ新しいことを伝えられる、といったことができるのだと思います。そして、これらをいかに“ビジネス”として成立するかが大切です。サービスを必要としている人へきちんと継続して応え続けられるようにするためには、ビジネスでなくてはならないのだと思っています。今回も新たな事業や仕事が生み出せるかどうかを念頭に皆さまとディスカッションしていければと思います」

進行は第1回目セッションでもプログラム設計・ファシリテーションを担当された、りそな総合研究所リーナルビジネス部長の藤原明氏。
これまでの企業・地域活性化への取り組みは500を超えており、雑誌AERA「日本を突破する100 人」にも選出されたまちづくりや共創に関するスペシャリストです。
前回のセッションではテーマが幅広くも、約2時間半で一気に具体案が出されるところまでいきました。さて、今回はどのようにまとまっていくのでしょうか。

藤原氏の説明を真剣に聞く参加者
藤原氏の説明を真剣に聞く参加者

始まりにあたり、藤原氏は共創を実現するワークショップにおいてのルールを説明。
お互いの話を傾聴し、他人の意見に対して「できない」「ムリ」「難しい」などと否定をしてはならないのが鉄則であることを伝えます。
否定ではなく“できる理由”を考えていくことがポイントとなります。

一人ひとりが自身の事業について説明
一人ひとりが自身の事業について説明

セッションのプログラムは前回と同様、まずはお互いを知る時間からスタート。
まずはそれぞれが取り組んでいる事業について説明。制限時間内で、初めて事業を聞く方に向けた丁寧でわかりやすい説明が求められます。

自己紹介は3回に分けて行われました。事業説明のほか、成功談と成功の理由、苦労談と克服、その人の原点なども伝えていき、これを話し終える頃には話者のミニドキュメンタリーが出来上がります。

頭に浮かんだ内容を次々と付箋に書き出す
頭に浮かんだ内容を次々と付箋に書き出す

このセッションでは付箋が重要な役割を果たしています。
自己紹介を聞いていた他のメンバーは発表内容から「強み」や「その企業(話者)のやるべきこと」を思いつくだけ書いていきます。終了する頃には本人も気づいていない他社視点から見た自分や自社の情報がテーブルの上に可視化されディスカッションに向かう準備が整います。

徐々にメンバー個々の強みから課題までが浮き彫りに
徐々にメンバー個々の強みから課題までが浮き彫りに

自己紹介3ターン目、話題は自身が感じている現状と課題へ。発表を聞いた他のメンバーは解決案を挙げていくときの注意点を藤原氏は次のように説明します。
「『夢・目標・未来像』と『現状』のギャップが『課題』ということになりますが、ここで出された課題は“真の課題”ではありません。何故ならその課題に対してはこれまでも解決に向けた取り組みがされているはずだからです。課題の一部を解決した取り組みもあると思います。
大切なのは、課題解決をしても“突き抜けない”という部分に着目することであり、それこそが真の現状であり解決すべき課題だと言えるでしょう」
課題解決について考える際、この考え方はいかなる場面においてもポイントとなるそうです。

参加者も一段と気合が入る
参加者も一段と気合が入る

会も後半を迎え、いよいよ事業を具体的に考えるフェーズへ。
前半3回にわたり自己紹介を重ねたことで見えてきたメンバー個々の強みやできること。これらを踏まえ、「地方創生」と「教育」というテーマに対して何ができるかアイディアを出し合います。

オレンジ色の付箋はビジネスチャンスでもある。沢山見えてきた
オレンジ色の付箋はビジネスチャンスでもある。沢山見えてきた

ここからは話者の持ち時間やディスカッションの時間が短く設定され、少し焦らされるようなスピード感で進みます。それもあってか、ディスカッションはより活発に。
参加者の皆さんは大きなジェスチャーとともに何ができるのか、思いつく限りオレンジ色の付箋へアウトプットし、前半で張り出した課題の付箋の上に重ねていきます。
「このタイミングで出てきたアイディアは全て事業のヒントになり、グループを超えてアイディアの融合もできる」と藤原氏は話します。

各チーム具体的な事業案をまとめあげた
各チーム具体的な事業案をまとめあげた

自己紹介から約1時間半のディスカッションの後、各グループはお互いの強みや可能性を突き合わせ浮き上がってきたアイディアを事業案としてまとめました。
発表された事業案は、ご当地の名産物、地域の学校、田舎を取り上げたものから、祭や廃校を教育と絡めたものまでが出されました。
前回と異なり、どのアイディアも「地方創生」と「教育」が明確に分離するわけではなく、この2つのテーマの繋がりは密接であることが伺えます。

読売テレビ 経営企画室 メディア企画部 佐藤智也氏
読売テレビ 経営企画室 メディア企画部 佐藤智也氏

読売テレビの佐藤氏は今回のセッションを振り返り次のようにお話されます。
「前回同様にグループの一員としてセッションへ参加をしましたが、テーマを『地方創生』と『教育』に絞ったので、出てくるアイディアが大変具体的だったなというのが第一印象でした。より踏み込んだディスカッションができていたと思います。
両テーマを兼ね備えたアイディアも出てきたのは今回ならでは。おそらく、集まられた皆さんの職種も自ずと絞られたため、お互いにできることをクロスさせる感覚が強く持てたことにあるのではないかと思います」
また、第3回目の内容について伺ったところ、
「1回目2回目の結果を踏まえさらに収縮させた話題にするか、テーマをガラッと変えるか、もしかしたらこのセッションのスタイルさえ変えるのか…現段階では未定ですが、さらなる共創のマッチングを目指してしっかりと検討していきたいと思います。」
と、話されました。

今後これらの事業案をいかに実績へと変えるかがポイントに
今後これらの事業案をいかに実績へと変えるかがポイントに

セッション終了後、藤原氏へセッションの感触を伺うと、
「今回は、テーマ設定がより具体的であったこともあり、後半に出てくる事業アイディアがどれも具体的だったと思います。アイディアはグループを超えて融合も可能ですし、前回のセッションで出されたアイディアとも組み合わせられるのではないかと思います。
また、共創は結局のところ『人』が重要です。今日のように顔を合わせてお互いを知り、パートナーとしてのマッチングがいかにうまくいくかが大切です。東京と比べても、実際に対話をすることが重視される点はやはり大阪ならではだと感じますので、このセッションの場がより良い結果へ繋がると良いと思います」
と話されました。

すっかりおなじみ「y」ポーズ
すっかりおなじみ「y」ポーズ

第2回目のセッションも無事に終了。最後はすっかりおなじみとなった「y」ポーズで皆さんも笑顔です。
前回の「生活者との接点拡大」をテーマとした共創プロジェクトがいくつか動き出すなか、果たして今回は一体どのようなプロジェクトが生まれるのでしょうか。
説明会と今回のディスカッションを経て、膨らませたアイディアや関係性を元に、このあとさらに各参加者より具体的な共創アイデアの提案をいただきます。
そこで、読売テレビの目指す方向性と合致したものは、プロジェクト化し事業化に向けて継続的な個別ディスカッションを進めて行きます。
引き続き本プロジェクトから目が離せません。