本の部屋Blog

【読書にまつわるエトセトラ #2】数学の2問目

[読書にまつわるエトセトラ] 2016年02月29日
応用問題が苦手。でも、臨機応変な対応はできる……多分。
数学の2問目が嫌いだった。

先生が教科書の例題を説明する、なんとなく分かった気になってその次の問題のかたまりに挑む。1問目は先生の説明通りに難なく解ける。しかし2問目となると途端に解けなくなることがあった。

「だって例題通りじゃないんだもん!」と心の中で叫んでみるが、周囲のクラスメイトは当たり前のように何やら計算をして次の問題に進んでいく。どうもさっきの解説で解けるらしい。
ちょっと捻りが加えられただけで、先に習ったものとは全く別物の様ように見えてしまう。私は数学、いや数学どころか算数の頃からこの教科が大の苦手だった。

 そんな昔の記憶をふと思い出す瞬間がある。ビジネススキルのノウハウ本を読んだ時だ。

コミュニケーションをはじめとするノウハウ本には、話の展開の仕方や、応対の仕方をかなり具体的な技術で記述したものがある。
読んでいるうちは納得の連続で「そうすればよかったのか!」と頷き、「今度からはそうずるぞ」と前向きなことを考える。しかし現実はノウハウ本のようにはいかない。「会話は縦軸だけでなく横軸にも広げろ」なんて言われても、広げた横軸で行き詰る。 

本の内容を実行できている人がいるのだから、決して使えないノウハウなんかではないはずだ。なのに目の前の同じ種類の問題が解けない。

だって例題通りじゃないんだもん!

子供の頃と全く同じフレーズを今日も繰り返す日々である。

 
(島村瑞穂)