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【ブックレビュー#29】『翻訳できない 世界のことば』エラ・フランシス・サンダース著 前田まゆみ訳

[ブックレビュー] 2016年06月21日
COMMUOVERE

MOTTAINAI、KAROUSHI、KWAIIなどなど、日本語がそのままアルファベットになって、世界中で使われている単語があります。このような言葉は、1語対1語で英語に訳すことのできなかったために、そのまま取り入れられた、彼らにとっては新しい概念と言えるのかもしれません。

そのような1語に訳せない言葉は世界中に存在し、新しい概念や、その言語を話す人々の文化を私たちに教えてくれます。

例えばペルシア語の“TIAM (ティヤム)”には「初めてその人に出会った時の、自分の目の輝き」という意味があるそうです。
ペルジアといえば、ベールをまとった女性たち。彼女たちが唯一、家の外でアピールできる体の部分が「目」です。アイラインをくっきりと引いた目力の強い化粧が印象的ですね。
そんな文化の中で使われる“TIAM”は、とても魅力的は響きを含んでいます。
 


著者のエラ・フランシス・サンダースは、20代でありながらいろいろな国に住んだ経験を持つそうで、紹介されている言葉の解釈もただ辞書を引くよりも温かみのある内容になっているように感じます。
 

なかには日本語も紹介されていて“BOKETTO”なんて言葉が取り上げられています。
自他ともに認める「休み下手」な日本人から出てくる“BOKETTO”。
彼女の心にはどのように映ったのでしょうか?ぜひその目でお確かめください。

 

(見習いブックソムリエ 島村瑞穂)